TRAINING SCIENCE / CONCURRENT TRAINING
筋トレと、
有酸素運動。
両立できる?
「走ると筋肉が落ちる」は、本当なのか。
筋肉を増やしたい。でも、ランニングや自転車も続けたい。有酸素運動をすると筋トレの効果が薄れる、と聞いたことがあるかもしれません。
2026年に公表された研究レビューを中心に、筋肥大・最大筋力・瞬発力・持久力を分けて考えます。大切なのは「どちらかをやめること」ではなく、何を優先して、どう組み合わせるかです。
QUICK ANSWER
有酸素運動は、
筋肥大の敵とは限らない。
ランニングやサイクリングなどの有酸素運動を筋トレと並行しても、2026年の研究レビューでは筋肥大への平均的な悪影響は確認されませんでした。一方で、最大筋力では小さなマイナス、瞬発力では無視できないマイナスの可能性が示されています。
筋肥大
有酸素運動を加えても、平均的には筋肥大が妨げられたとはいえなかった。
最大筋力
小さなマイナスの可能性。最大筋力を最優先する時期は組み合わせに注意する。
瞬発力
ジャンプ力など瞬発力では、マイナスの影響が出やすい可能性が示された。
01 / WHAT THE REVIEW FOUND
2026年の研究で、
何が分かった?
Zhaoらは2026年、筋トレ単独と筋トレ+有酸素運動を比較した研究を統合し、ベイジアンネットワークメタ解析として公表しました。対象となった研究は30件です。
筋肥大への悪影響は確認されなかった
筋トレに有酸素運動を加えた場合と筋トレだけの場合を比べても、筋肥大に対する明確なマイナスの影響は確認されませんでした。これは研究参加者全体の平均的な結果であり、すべての人に同じ結果を保証するものではありません。
最大筋力は小さく、瞬発力はやや不利になる可能性
最大筋力では小さなマイナスの可能性、瞬発力では無視できないマイナスの可能性が示されました。一方、持久力(有酸素能力)は、筋トレに有酸素運動を加えることで向上する方向の結果でした。能力ごとに影響が異なる点が重要です。
02 / TYPE OF CARDIO
有酸素運動の種類で、
影響は変わる?
「有酸素運動」と一括りにしても、ランニングとサイクリングでは脚への負担や使う筋肉の偏りが異なります。先行研究では、ランニングの方が下肢の筋力・パワーへの干渉が出やすい可能性が指摘されてきました。
ただし、今回中心に扱う2026年のレビューは、有酸素運動全体としての平均的な結果を示したものです。種類別の優劣を断定するものではありません。現在の目的と継続しやすさから選ぶことが現実的です。
| 組み合わせ | 考え方 |
|---|---|
| 筋トレ+サイクリング | 関節への衝撃が比較的少なく、強度を調整しやすい。脚の疲労は残るため、脚の筋トレ日との間隔は見る。 |
| 筋トレ+ランニング | 持久力や体重管理と合わせやすい一方、脚の筋肉痛や疲労が下肢トレーニングの質に影響しやすい。量と頻度を急に増やさない。 |
| 筋トレ+水泳・ローイングなど | 全身を使う種目は上半身の疲労も考える。どの筋群をいつ使うかでスケジュールを分ける。 |
※種類別の向き・不向きを保証する表ではありません。疲労の出方と継続しやすさを見るための整理です。
03 / ORDER & TIMING
同じ日に行うなら、
順番と時間はどうするか。
研究全体として、順番や間隔の最適解が一つに定まっているわけではありません。ただし実践では、その日に優先したい種目を先に行うことが基本になります。最大筋力や瞬発力を優先する日は、先に筋トレを行い、その質を落とさないようにします。
優先する種目を先に
筋肥大・筋力が目的の日は筋トレを先に。持久力が目的の日は有酸素運動を先にする。
可能なら時間を空ける
同じ日に両方を行う場合は、続けて行うより、間に時間を空ける方が疲労を持ち込みにくい。
分けられる日は分ける
脚の強い筋トレと長いランニングは、できるだけ同じ日に重ねない。
04 / CHECKLIST
実践チェックリスト
研究の結果を日常のトレーニングに落とし込むときは、次の点を確認してください。
- 今の時期の最優先を決める(筋肥大/最大筋力/瞬発力/持久力)
- 有酸素運動は「週の総量」で管理する(1回の時間・頻度・強度)
- その日に優先する種目を先に行う
- 同じ日に両方を行う場合は、できるだけ時間を空ける
- 脚の強い筋トレと、長い有酸素運動を同じ日に重ねない
- 消費量が増えた分、食事と睡眠を先に整える
- 重量・回数・疲労感を記録し、落ちてきたら組み合わせを見直す
05 / STUDIO KOMPAS VIEW
STUDIO KOMPASの考え方
STUDIO KOMPASでは、有酸素運動を一律に避けるようには案内しません。大切なのは、目的に対して量とタイミングが合っているかです。筋肥大を優先する時期、持久力を高めたい時期、両方を維持したい時期では、最適な組み合わせが変わります。
目的を分ける
筋肥大、最大筋力、瞬発力、持久力のどれを今伸ばしたいのかを先に決めます。
疲労を見る
有酸素運動の翌日に脚のトレーニングの質が落ちていないかを確認します。
続けられる形に
好きな有酸素運動を残しながら、量と順番を調整して継続できる形にします。
判断に迷う場合は、トレーニングの目的と現在のスケジュールをトレーナーと共有してください。無理にどちらかをやめる前に、組み合わせの調整で解決できることが多くあります。
TAKEAWAYS
まとめ
有酸素運動を並行しても、筋肥大への平均的な悪影響は確認されなかった。
最大筋力は小さく、瞬発力はやや不利になる可能性があり、影響は能力によって違う。
優先順位、順番、時間の空け方、総量の管理で、両立のしやすさは変わる。
06 / FAQ
よくある質問
有酸素運動をすると筋肉は落ちますか?
2026年の研究レビューでは、筋トレに有酸素運動を並行しても筋肥大への平均的な悪影響は確認されませんでした。ただし、有酸素運動の量が多すぎる場合や、食事・休養が不足する場合は、回復が追いつかなくなる可能性があります。
筋トレと有酸素運動は同じ日にやってもいいですか?
同じ日に行うこと自体は可能です。その日に優先したい種目を先に行い、可能であれば間に時間を空けると、疲労の影響を受けにくくなります。
ランニングとサイクリング、どちらがよいですか?
今回のレビューから種類別の優劣を断定することはできません。脚の疲労の出方と、続けやすいかどうかで選ぶことが現実的です。
最大筋力を伸ばしたい時期は、有酸素運動をやめるべきですか?
最大筋力では小さなマイナスの可能性が示されています。最優先の時期は、有酸素運動の量を抑える、筋トレと日を分けるなど、組み合わせを調整する選択肢があります。完全にやめるかどうかは目的と状況によります。
瞬発力を高めたい場合に注意することは?
瞬発力では無視できないマイナスの可能性が示されました。ジャンプやスプリントなど瞬発系の練習を優先する日は、有酸素運動の疲労を持ち込まないスケジュールが大切です。
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REFERENCES
参考文献
- Zhaoら(2026): 筋トレ単独と筋トレ+有酸素運動(コンカレントトレーニング)を比較した30件の研究を統合した、ベイジアンネットワークメタ解析。筋肥大、最大筋力、瞬発力、持久力への影響を分けて評価した。
※本記事は研究レビューの平均的な結果をもとにした一般的な情報です。個別の体調や既往歴に応じて、医療機関や専門家にご相談ください。
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