「ジムに通う際、どのような要素に権威性を感じますか?」—この問いをテーマに、ジムに通っているかどうかに関わらず、全国の500人を対象にアンケートを実施しました。

参加者の年齢層は幅広く、20代から70代以上までの方々が回答に協力してくれています。
具体的な年齢分布は以下の通りです。
アンケート参加者の年齢分布を示した横棒グラフ。各年齢層ごとの人数は次のとおりです: 20~24歳:17人 25~29歳:47人 30~34歳:92人 35~39歳:90人 40~44歳:96人 45~49歳:79人 50~54歳:50人 55~59歳:21人 60~64歳:5人 65~69歳:1人 70歳以上:2人 30代と40代が比較的多く、特に40~44歳の層が最も多いことがわかります。

アンケート参加者の男女比を示した円グラフ。参加者は女性が277人(55.4%)、男性が223人(44.6%)で、女性の割合が男性よりもやや高くなっています。
この年齢層の広がりにより、様々なライフスタイルやフィットネスへの関心が反映された回答が得られています。

本調査では、ジム選びにおいて「権威性を感じる要素」として何が重視されているのか、また、多くの人が「利便性と権威性」をどのようにトレードオフしているのかを探りました。
ジムの権威性が、身体作りの目標達成にとってどれほど重要視されているのかを明らかにすることが本調査の目的です。

調査概要 調査対象: 20歳以上の全国のジム利用に関心を持つ500人
調査方法: オンラインアンケート 実施期間: 2024年11月

Contents

価格と安心感の関係

ジムやトレーナーのサービスを選ぶ際、価格は非常に重要な要素のひとつです。特にトレーナーが提供するサービスは無形であり、目に見える「原価」が存在しないため、価格の背景にある価値がわかりづらい場合があります。しかし、その価格にはトレーナーの知識やスキル、経験が含まれていると考えられます。
例えば、学びに費やした時間や実践から得た技術が積み重なり、その結果として洗練された指導スタイルが形成されています。また、トレーナーのライフステージや個人的な視点も影響しており、トレーナー自身が得る収入が、サービスの質を保つための学習や社会的な視野の広がりに関わっているのです。
価格が安いサービスには手軽さという魅力がありますが、トレーナーの収入が減少すれば、学びや外部の視点を取り入れる機会が限られてしまうかもしれません。
そのため、価格設定は単に「いくらでサービスを提供するか」だけでなく、提供されるサービスの質にも影響を及ぼすものといえるでしょう。

本調査では、3,000円から11,000円以上の価格帯に分けて、どの範囲で顧客が「安心感」を感じているのかを調査しました。 アンケート結果では、「5,000円以上」の価格帯が最も多く支持されましたが、3,000円から11,000円以上までの幅広い価格帯に支持が集まっていることが確認されました。
パーソナルトレーニング1回あたりの料金でトレーニング指導の品質に安心できる料金を示した円グラフ(サンプル数500)。各料金帯の回答者数と割合は次の通りです: 3,000円以上:65人(13.0%) 5,000円以上:179人(35.8%) 7,000円以上:142人(28.4%) 9,000円以上:67人(13.4%) 11,000円以上:47人(9.4%) 最も多くの回答が「5,000円以上」に集まり、35.8%を占めています。
価格が高ければ安心と感じる人もいれば、価格と品質のバランスを重視する人もいるため、安心感の基準は多様であることが分かります。特に「7,000円以上」を支持する層が多いことから、適正価格と高品質なサービスのバランスが、顧客が安心して利用できるサービスの判断基準として重要な要素になっているようです。

権威性を感じる要素—なぜアスリートの専属指導が評価されるのか

アンケート結果によると、「アスリートの専属指導」が最も多く支持を集め、回答者の約69%がこの点に権威性を感じると回答しました。

ジムの権威性の高さを感じる要素を示した棒グラフ。各要素ごとの回答者数は以下の通りです: モデル、タレントの専属:89人 アスリートの専属:344人 ボディビルコンテスト入賞:86人 開業10年:112人 『アスリートの専属』が最も多くの支持を集め、344人が権威性を感じる要素として選んでいます。
アスリートに信頼されるトレーナーは、一般の利用者にとっても「信頼に値する存在」として映ります。プロのスポーツ選手を指導する経験を持つことは、専門的な知識と高い指導技術があることの証です。プロ選手の身体をサポートするには、個々の体に応じた適切なアプローチを理解し、的確な指導ができる信頼性が求められます。
これにより、一般の利用者にも信頼感を与えることができ、トレーニングの効果を確信させる要素として評価されています。
次いで支持が高かったのは「開業10年以上」(約22%)でした。パーソナルジムが急増する現代において、長期間にわたり営業を続けられるジムは、時代に応じたサービス提供や顧客からの支持を示す指標です。営業歴が長いことは、顧客満足度の維持や信頼性のあるサービスを提供してきた結果といえます。
また、長年の運営が、単に顧客との信頼関係を築いただけでなく、トレーナー自身も継続的に学びや改善を行っていると想像され、顧客にとって安心感につながります。

さらに、「モデルやタレントの専属指導」(約18%)や「ボディビルコンテスト入賞」(約17%)も一定の権威性を感じる要素として挙げられました。
モデルやタレントの専属トレーナーは、見た目や健康維持が必要な人々に対する指導経験を持っており、特に美容や健康の面で効果的なトレーニングが期待されるため、一般の顧客にも信頼感を与えます。また、ボディビルコンテストでの入賞歴は、トレーナー自身が実際に目標を達成した結果であり、体力向上やボディメイクに取り組む顧客にとっては信頼性を感じる要素です。
特に、トレーナー自身が結果を出した経験を持つことは、顧客が自身の目標達成のサポートを期待する際に非常に魅力的です。

ジムの形式別に見る顧客の選好傾向

ジムの形態別に品質の高さを期待できると感じる割合を示した円グラフ。各形態の回答者数と割合は以下の通りです: チェーン展開のジム:251人(50.2%) 個人経営のジム:203人(40.6%) フリーランストレーナー(レンタルジム使用):46人(9.2%) チェーン展開のジムが最も多くの支持を集め、50.2%の人が品質の高さを期待できると感じています。
本アンケートでは、「チェーン展開のジム」を選んだ回答者が全体の約50%で最多でしたが、「個人経営のジム」も約40%近くの支持を集めました。これは、チェーン展開と個人経営のジムそれぞれに異なる価値が求められていることを示唆しています。チェーン展開のジムは、各店舗で統一されたブランドイメージとサービス基準を持ち、利用者に一定の安心感を提供します。
しかし、トレーナーは「技術職」であると同時に「サービス職」であるため、チェーン展開であってもトレーナー個人の指導レベルが均一であるとは限りません。それぞれのトレーナーが持つ指導経験やスキルのばらつきがある場合、店舗ごとの指導の質に差が生じる可能性があります。
とはいえ、チェーン展開のジムは、初心者にとっても利用しやすく、またブランドの信頼性や規模の大きさからの安心感を得やすいという利点があります。

一方、個人経営のジムも根強い人気があり、特にトレーナーとの密な関係を求める顧客層にとって魅力的です。個人経営のジムでは、トレーナーが自身の持つ経験やスキルをフルに活かし、顧客に合わせたカスタマイズ指導が提供されることが多く、利用者にとって特別な体験ができる場所としての価値が大きいと言えます。
また、トレーナーと直接信頼関係を築きやすく、より深いコミュニケーションが取れるため、長期的に信頼して通える環境が整っていると感じられるのも個人経営のジムの強みです。
このように、チェーン展開と個人経営のジムには、それぞれ異なる利点と価値があるため、利用者のニーズに応じた選択が重要です。

利便性 vs. 権威性—家からの距離と信頼性のトレードオフ

本調査によると、回答者の64%が「家から近いジム」を選ぶ一方で、36%が「権威性の高いジム」を選んでおり、通いやすさと権威性の間で多くの利用者がバランスを取っていることが分かりました。

ジムを選ぶ基準として、利便性(家から近い)と権威性(家から遠いが信頼性が高い)のどちらを重視するかを示した円グラフ。各選択肢の回答者数と割合は以下の通りです: 家から近い権威性の低いジム:321人(64.2%) 家から30分以上かかる権威性の高いジム:179人(35.8%) 64.2%の人が家から近いジムを選び、利便性を重視する傾向が見られます。
ジム選びにおいて、利便性を重視する顧客は、日常的に通いやすい立地が大きなポイントです。
特に、忙しい生活を送る人やジム通いを習慣にしたい人にとっては、移動時間が短いことで無理なく通える点が、継続への動機付けとして大きな影響を及ぼしています。
一方、距離が離れていても権威性の高い指導を求める層も少なくありません。権威性があるジムやトレーナーは、豊富な実績と高い専門性に基づく指導を提供できるため、顧客が移動の手間をかけてでも通う価値を見出しています。特に、健康や体力増進、ボディメイクなど、目的意識を持って通う利用者にとっては、場所よりも指導の質が重要視される傾向があります。
トレーナーの経歴や実績が示す専門性が信頼に繋がり、「この指導で結果を出したい」という期待感から通い続ける強い動機が生まれます。

このように、「利便性」と「権威性」はジム選びにおける重要なトレードオフ要素であり、どちらを優先するかは利用者のライフスタイルや目的によって異なります。
ジム運営者にとっては、アクセスの良さを求める層には利便性を活かした通いやすい環境を整え、遠方からの利用を想定する層にはトレーナーの実績や専門性をしっかりとアピールすることが大切です。

まとめと今後の展望

今回のアンケート結果から、「権威性」と「利便性」という二大要素がジム選びの基準として浮かび上がりました。ジム運営者にとっては、顧客の多様なニーズに応えるため、地域性や顧客層に合わせた戦略を取り入れることの重要性が明確になりました。
特に、トレーナーの実績や権威性を的確に伝えることで、専門的な指導が求められる利用者の信頼を獲得し、またアクセス性を重視する利用者には、通いやすさを活かしたサービスを提供することで、顧客満足度を高めるための鍵となるでしょう。

調査実施者

STUDIO KOMPAS渋谷店では、顧客のニーズに応じたリサーチと質の高いサービス提供を目指しています。今後も顧客視点を重視した調査を継続し、トレーニングのパーソナライズ化を進め、顧客満足度のさらなる向上に努めてまいります。

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