GAIT / LOCOMOTOR / PASSENGER

歩行の
ロコモーターと
パッセンジャーとは?

歩くことを、
「脚を前に出す動作」だけで考えない。

歩行では、足部・足関節・膝・股関節だけでなく、
骨盤、体幹、頭部、上肢を含む身体全体が動いています。

歩行分析には、身体を機能的に
「Locomotor Unit」と「Passenger Unit」に分けて
理解する考え方があります。

この記事では、この2つの概念を入口に、
歩行を身体全体から見るための基本を整理します。

GAIT
LOCOMOTOR
PASSENGER
MOVEMENT

QUICK ANSWER

運ぶ側と、
運ばれる側。

歩行を理解する方法の一つとして、
身体をLocomotor UnitとPassenger Unitという
2つの機能単位に分けて考えることがあります。

LOCOMOTOR UNIT
ロコモーター

主に骨盤と下肢。身体を支持しながら、
前方への移動に関わります。

PASSENGER UNIT
パッセンジャー

頭部・上肢・体幹と骨盤。
ロコモーターによって運ばれる身体部分として捉えます。


ただし、人の身体が本当に
二つに分かれて動いているわけではありません。

身体全体の動きを理解しやすくするための
機能的な見方の一つです。

01 / LOCOMOTOR UNIT

ロコモーターは、
身体を支えながら運ぶ。

Locomotor Unitは、
主に骨盤と下肢を含む機能単位として説明されます。

歩行中の下肢は、
地面に接地して身体を支持する時間と、
次の接地へ向けて前方へ移動する時間を繰り返します。

その中で足部、足関節、膝関節、股関節は
それぞれ独立して動くのではなく、
連続した運動として身体の移動に関わります。

FOOT

足部

地面との接点となり、荷重を受けます。

ANKLE

足関節

身体が足部の上を移動する過程に関わります。

KNEE

膝関節

支持と下肢の振り出しの中で屈曲・伸展します。

HIP

股関節

骨盤と下肢をつなぎ、前後への運動に関わります。

02 / PASSENGER UNIT

パッセンジャーは、
ただ固定されているわけではない。

Passenger Unitは、
頭部・上肢・体幹と骨盤を含む機能単位として
捉えられます。

「Passenger=乗客」という言葉から、
上半身は動かずに下肢へ乗っているだけ、
とイメージする必要はありません。

実際の歩行では、
骨盤や体幹にも運動があり、
上肢も歩行に伴って動きます。

Locomotor / Passengerという分類は、
それぞれを完全に独立させるためではなく、
歩行中の役割を整理するためのモデルとして理解すると
分かりやすくなります。

POINT

「体幹を固める」ことと、
「歩行中の体幹をコントロールする」ことは同じではありません。

03 / CONNECTION

上半身と下半身を、
別々にしすぎない。

01
GROUND
地面に接する
02
LOAD
荷重を受ける
03
MOVE
身体が移動する
04
NEXT STEP
次の一歩へ

歩行は、この流れを左右で繰り返す連続運動です。

下肢の運動と上半身の状態は、
完全に独立しているわけではありません。

実際に、健常男性を対象に上部体幹の姿勢条件を変えて
歩行を比較した研究では、
ハムストリングスの筋活動に変化が報告されています。

ただし、この結果から
「体幹姿勢がすべての歩行問題の原因になる」
と一般化することはできません。

04 / GAIT ANALYSIS

歩行を見るとき、
一部分だけで原因を決めない。

例えば歩行中に足部の動きが小さく見えたとしても、
その映像だけから
「足首が硬いから」と原因を決めることはできません。

同じように体幹が前方へ傾いて見えても、
「体幹が弱いから」と即座に判断することもできません。

歩行速度、歩幅、身体の構造、
関節運動、筋力、痛みの有無、
その人が行おうとしている動作など、
複数の条件が関係します。

01
足部・接地

どこで、どのように地面へ接しているか。

02
関節運動

足関節・膝・股関節がどう動いているか。

03
骨盤・体幹

歩行中にどのような位置と動きを示すか。

04
全体の動作

各部位の情報を歩行全体へ戻して考えます。

05 / TRAINING

「歩き方を直す」前に、
何を変えるのかを考える。

歩行に違いが見つかったからといって、
すぐに「正しい歩き方」を反復するとは限りません。

例えば足関節の動き、
股関節の運動、
足部での接地、
体幹のコントロールなど、
歩行以外の条件を確認することがあります。

そして必要であれば、
個別の運動から立位・スクワット・片脚動作などへ進み、
最後に歩行の中でどう変化するかを確認します。

01CHECK

現在の歩行を見る

02HYPOTHESIS

身体を確認して仮説を立てる

03TRAIN

必要な要素をトレーニングする

04RECHECK

もう一度動いて確認する

06 / EVIDENCE

Locomotor / Passengerは、
歩行を理解するためのモデル。

Jacquelin PerryとJudith M. Burnfieldによる
『Gait Analysis: Normal and Pathological Function』では、
歩行について身体各部の運動、筋活動、重心移動などを含めて
系統的に扱っています。

Locomotor UnitとPassenger Unitという見方は、
複雑な歩行を機能的に整理するために有用です。

一方で、モデルそのものを
「この姿勢ならこの筋肉が弱い」
「この歩き方ならこの部位が原因」
という診断式として使うものではありません。

KOMPASでは、概念を身体評価の入口として使い、
実際の身体・関節・動作を確認してから
トレーニングへつなげます。

07 / STUDIO KOMPAS

歩行を、
身体全体を見る材料にする。

FOOT

足部

接地や荷重の仕方を確認します。

JOINT

関節

足関節・膝・股関節などの動きを確認します。

TRUNK

体幹

胸郭・骨盤を含めた位置と動きを確認します。

GAIT

歩行

個別の情報を実際の動作へ戻して確認します。

「歩き方を一つの正解へ近づける」ことを
最初の目的にはしません。

現在どのように身体を使っているのかを見て、
目的に対して必要なことを考えます。

REFERENCES

参考文献

  1. Perry J, Burnfield JM.
    Gait Analysis: Normal and Pathological Function.
    2nd ed. SLACK Incorporated; 2010.
  2. Perry J, Burnfield JM 原著.
    武田功 統括監訳.
    ペリー歩行分析―正常歩行と異常歩行.
    第2版. 医歯薬出版; 2012.
  3. 福添伸吾, 玉利光太郎, 河村顕治.
    上部体幹屈曲位,いわゆる猫背姿勢での歩行は
    ハムストリングスの筋活動を上昇させる.
    日本理学療法学術大会. 2011.

AUTHOR / SUPERVISOR

執筆・監修

山岸 慎

STUDIO KOMPAS創業者・パーソナルトレーナー|NSCA-CSCS

STUDIO KOMPAS / SHIBUYA

一部分ではなく、
動いている身体を見る。

STUDIO KOMPASでは、
身体評価と実際の動作を確認しながら、
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