TRAINING SCIENCE / PROGRAM DESIGN

筋トレは、
全身法と分割法
どっちがいい?

筋肥大も、筋力向上も。
大切なのは、分け方だけではない。

筋トレのメニューを考えるとき、
全身を一度に鍛える「全身法」と、
日によって鍛える部位を変える「分割法」の
どちらを選ぶべきか迷うことがあります。

初心者は全身法。
上級者は分割法。
そんな説明を見かけることもあります。

しかし、実際の研究では、
全身法と分割法の間に
明確な優劣が確認されない場合があります。

この記事では、
全身法と分割法の違い、
筋肥大・筋力への影響、
週2〜4回のプログラム例を、
研究と実践の両面から整理します。

FULL BODY
SPLIT ROUTINE
HYPERTROPHY
STRENGTH

QUICK ANSWER

どちらも有効。
違いは、
1週間の組み立て方。

研究では、週間のトレーニング量を
同程度に揃えた場合、
全身法と分割法の筋肥大・筋力向上に
統計的に明確な差が確認されなかったと
報告されています。

つまり、
全身法だから筋肉が成長する、
分割法だから筋肥大に優れる、
という単純な関係ではありません。

01 / FULL BODY
全身法

1回のトレーニングで
複数の主要筋群を鍛える。

02 / SPLIT
分割法

トレーニングする部位を
複数の日に分けて鍛える。

03 / IMPORTANT
週間総量

どちらの方法でも、
週全体の運動量と質が重要。


THE METHOD IS
NOT THE GOAL.

方法を選ぶことよりも、
目的に合ったトレーニングを
継続できることが重要です。

01 / DEFINITION

全身法と分割法は、
何が違う?

全身法と分割法の違いは、
主にトレーニングする筋群を
1週間の中でどのように配置するかにあります。

どちらもレジスタンストレーニングの
プログラム構成方法です。

FULL BODY ROUTINE

全身法

1回のトレーニングで、
下半身・胸部・背部など
複数の主要筋群を鍛える方法です。

1回の対象
複数の筋群
特徴
全身に刺激を分散
考え方
少ない日数にも対応

SPLIT ROUTINE

分割法

上半身と下半身、
または押す・引く・脚など、
鍛える部位を日ごとに分ける方法です。

1回の対象
特定の筋群
特徴
部位ごとに運動量を配置
考え方
複数日に分けやすい

IMPORTANT

全身法と分割法は、
筋トレの目的そのものではない。

筋肥大、筋力向上、運動習慣の形成など、
何を目指すかによって、
プログラムの構成を考える必要があります。

02 / SCIENTIFIC EVIDENCE

筋肥大と筋力。
研究では、
どちらが有利?

全身法と分割法の効果を比較する際には、
トレーニング量を揃えているかが重要です。

片方の方法だけセット数が多ければ、
結果の違いが分割方法によるものなのか、
トレーニング量によるものなのか
判断しにくくなるためです。

RESEARCH / 2024


Ramos-Campoらによる
系統的レビュー・メタ解析

14
対象研究
392
参加者
2024
発表年

全身法と分割法を直接比較した研究を統合。
週間のトレーニング量を揃えた条件では、
筋力向上と筋肥大に
統計的に有意な差は確認されませんでした。

筋力向上について

ベンチプレスや下半身の筋力を比較した解析では、
全身法と分割法の間に
統計的に有意な差は認められませんでした。

筋肥大について

上腕の筋群や外側広筋の筋断面積、
除脂肪体重などの指標でも、
両方法の間に明確な差は検出されませんでした。

研究の限界

ただし、差が検出されなかったことは、
あらゆる条件で両方法の効果が
完全に等しいと証明されたことを意味しません。

このメタ解析では、
対象者は18歳以上40歳未満で、
男性を対象とした研究が多く含まれています。

また、研究期間やトレーニング経験、
使用種目などにも違いがあります。
そのため、すべての年齢・目的・運動経験へ
同じ結論を当てはめることはできません。

RESEARCH INTERPRETATION

「どちらでも同じ」ではなく、
「分け方だけでは決まらない」。

全身法と分割法の優劣を決めるよりも、
週間の運動量や努力度、
回復、継続性を含めて考える必要があります。

03 / TRAINING VARIABLES

効果を左右するのは、
分割方法だけではない。

トレーニングの成果を考えるとき、
全身法か分割法かという分類だけでなく、
実際にどのような刺激を与えているかを
確認することが重要です。

01 / VOLUME

週間セット数

各筋群に対して、
1週間でどの程度の
トレーニング量を確保するか。

02 / EFFORT

努力度

セット終了時に、
どの程度の余力が残っているか。

03 / PERFORMANCE

動作と負荷

目的に合った重量や可動域、
動作を維持できているか。

04 / RECOVERY

回復と継続

次のトレーニングまでに
回復し、継続できるか。

週間セット数と頻度を区別する

例えば胸部のトレーニングを
週8セット行う場合、
1回で8セット行う方法もあれば、
4セットずつ2日に分ける方法もあります。

どちらも週間セット数は8セットですが、
1回あたりの疲労や
後半セットのパフォーマンスは
異なる場合があります。

また、同じセット数でも、
使用重量や努力度が異なれば、
同じトレーニング刺激とは限りません。

04 / WEEKLY FREQUENCY

週に何回できるか。
そこから考える。

全身法と分割法を選ぶ際には、
1週間で確保できるトレーニング日数が
判断材料になります。

以下は研究で唯一の最適解と
証明された組み合わせではなく、
実際にプログラムを考える際の
構成例です。

2 DAYS / WEEK
週2回

全身法を選択肢に

2日とも主要筋群を鍛えることで、
各筋群への刺激を
週の中で複数回配置できます。

3 DAYS / WEEK
週3回

目的に応じて調整

全身法を3回行う方法や、
全身法と部分的な分割を
組み合わせる方法があります。

4+ DAYS / WEEK
週4回以上

分割法も選びやすい

上半身と下半身を分けるなど、
各筋群の運動量を
複数日に配置できます。

IMPORTANT

週2回なら必ず全身法、
週4回なら必ず分割法という意味ではありません。
目的・経験・運動量・回復状態によって
適切な構成は変わります。

05 / PROGRAM DESIGN

実際のメニューは、
どう組み立てる?

ここでは全身法と分割法の
スケジュール例を紹介します。

どちらも一つの構成例であり、
個人の目的や体力に応じて
種目・セット数・負荷を調整する必要があります。

EXAMPLE 01 / FULL BODY

週2回の全身法

1回のトレーニングで、
下半身・胸部・背部を中心に鍛える例。

MON
全身 A
TUE
休息・その他の活動
WED
休息・その他の活動
THU
全身 B
FRI–SUN
回復・生活に応じた活動
考え方

限られた日数の中で、
主要筋群のトレーニングを
週に複数回配置します。

EXAMPLE 02 / UPPER LOWER

週4回の分割法

上半身と下半身を分け、
それぞれ週2回行う例。

MON
上半身 A
TUE
下半身 A
WED
休息・その他の活動
THU
上半身 B
FRI
下半身 B
SAT–SUN
回復・生活に応じた活動
考え方

1回に鍛える部位を限定しながら、
各筋群の週間運動量を
複数日に配置します。

WEEKLY VOLUME EXAMPLE

同じ週8セットでも、
組み方は変えられる。

FULL BODY / CHEST
4 + 4
週2回で胸部を合計8セット
UPPER LOWER / CHEST
4 + 4
上半身の日に胸部を合計8セット

これは胸部の直接的なセット数を
同じにした説明例です。
プログラム全体の負荷や刺激が
完全に等しいことを示すものではありません。

種目の順番も重要になる

1回のトレーニングで多くの種目を行う場合、
後半になるほど疲労によって
扱える重量や反復回数が変化することがあります。

そのため、優先して伸ばしたい種目や
高いパフォーマンスを求める種目を
どこに配置するかも検討します。

06 / DECISION MAKING

どちらを選ぶか。
判断したい4つのこと。

01

1週間に何日、
トレーニング時間を確保できるか。

02

筋肥大・筋力向上・運動習慣など、
何を優先するのか。

03

各筋群に必要な運動量を、
無理なく確保できるか。

04

疲労から回復しながら、
継続できるスケジュールか。

途中で方法を変えてもよい

全身法でトレーニングを始めたからといって、
ずっと全身法を続ける必要はありません。

トレーニング経験が増えたり、
目的や生活環境が変化したりすれば、
分割方法を変更することも選択肢になります。

反対に、
分割法でトレーニングしている人が、
忙しい時期に全身法へ変更することもできます。

大切なのは、
分割方法を守り続けることではなく、
目的に合った運動量と質を
維持できるように調整することです。

07 / STUDIO KOMPAS

トレーニングを、
生活から切り離さない。

STUDIO KOMPASでは、
トレーニング方法を
一つの正解に固定するのではなく、
目的や運動経験、
現在の身体の状態、
ライフスタイルを確認しながら
内容を組み立てています。

週に2回しか時間を確保できない人と、
週に4回トレーニングできる人では、
現実的なプログラム構成が異なる場合があります。

また、トレーニングを始めたばかりの人と、
長期間継続している人でも、
必要なサポートや運動内容は異なります。

研究で示された一般的な傾向を理解しながら、
目の前の身体と生活に合わせて
方法を考えていくことを大切にしています。


TRAINING
FOR YOUR LIFE.

トレーニングを続ける理由は、
健康や身体づくりだけではありません。
身体を動かすこと自体が楽しい。
そのような習慣になることも、
KOMPASが大切にしている考え方です。

08 / FAQ

よくある質問。

Q. 筋トレ初心者は全身法の方がよいですか?

全身法は、限られた日数で
複数の主要筋群を鍛えられるため、
初心者にとって選びやすい方法の一つです。
ただし、全員が全身法から始める必要はなく、
目的や運動経験に応じて調整します。

Q. 分割法の方が筋肥大しやすいですか?

週間のトレーニング量を揃えた研究では、
全身法と分割法の筋肥大効果に
明確な差は検出されませんでした。
分割方法だけで筋肥大効果が決まるわけではありません。

Q. 週2回でも分割法はできますか?

可能です。
ただし、上半身と下半身を
週1回ずつ鍛える構成などでは、
各筋群への刺激頻度が変わります。
週間運動量と目的を確認して組み立てます。

Q. 週4回なら分割法が必須ですか?

必須ではありません。
週4回でも全身法や、
全身法と分割法を組み合わせる方法があります。
運動量、疲労、回復、種目の優先順位から判断します。

Q. 全身法から分割法へ変更するタイミングは?

トレーニング日数が増えた場合や、
1回あたりの運動量が多くなり、
複数日に分けた方が管理しやすい場合などが
変更を検討するきっかけになります。
経験年数だけで切り替える必要はありません。

REFERENCES

参考文献・研究資料

  1. Ramos-Campo DJ, et al.
    Efficacy of Split Versus Full-Body Resistance
    Training on Strength and Muscle Growth:
    A Systematic Review With Meta-Analysis.
    Journal of Strength and Conditioning Research.
    2024;38(7):1330–1340.
    DOI: 10.1519/JSC.0000000000004774

    PubMedで確認する ↗
  2. Currier BS, et al.
    American College of Sports Medicine Position Stand.
    Resistance Training Prescription for Muscle Function,
    Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults:
    An Overview of Reviews.
    Medicine & Science in Sports & Exercise.
    2026;58(4):851–872.
    DOI: 10.1249/MSS.0000000000003897

    PubMedで確認する ↗
  3. Pelland JC, et al.
    The Resistance Training Dose Response:
    Meta-Regressions Exploring the Effects of
    Weekly Volume and Frequency on Muscle
    Hypertrophy and Strength Gains.
    Sports Medicine. 2026;56:481–505.
    DOI: 10.1007/s40279-025-02344-w

    PubMedで確認する ↗
EDITORIAL NOTE

本記事では、研究で報告された一般的な知見と、
STUDIO KOMPASにおける
トレーニング指導の考え方を区別しています。
掲載した週間スケジュールは構成例であり、
すべての人に共通する最適な処方ではありません。

AUTHOR / SUPERVISOR

執筆・監修:山岸慎

STUDIO KOMPAS創業者・パーソナルトレーナー
|NSCA-CSCS

トレーニング指導において、
身体の状態・目的・運動経験・生活習慣を確認し、
一人ひとりに合わせたプログラムを考えています。


プロフィール・メディア実績を見る →

TRAIN WITH
PURPOSE.

STUDIO KOMPAS / SHIBUYA

自分の身体と目的に合う、
トレーニングを。

全身法か、分割法か。
どの方法が合うかは、
身体の状態や目的、
ライフスタイルによって変わります。

STUDIO KOMPASでは、
現在の身体と動きを確認しながら、
一人ひとりに合った
トレーニングを組み立てています。

渋谷駅 徒歩約7分
神泉駅 徒歩約5分
通常60分 9,000円(税込)
入会金・月会費 0円
6:00〜23:00
FIRST EXPERIENCE


初回2回体験
各4,500円(税込)

2回合計9,000円(税込)。
初回から2週間以内に2回目を実施した場合、
初回料金が無料となる体験プランです。

※月1回利用をご希望の場合は、
初回体験プランの対象外です。

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