TRAINING SCIENCE / TIME OF DAY

筋トレは、
朝と夜で
効果が変わる?

筋力・筋肥大・身体のリズム。
トレーニングする時間帯を研究から考える。

筋トレは朝に行う方がよいのか。
それとも夕方や夜の方が、
筋肉を大きくするには効果的なのか。

「夕方は筋力を発揮しやすい」
と聞いたことがある方もいるでしょう。

しかし、その場で発揮できる筋力と、
トレーニングを継続した結果として
獲得する筋力や筋量は、
同じものではありません。

この記事では、
2019年・2023年の研究レビューと、
2026年に発表された新しい研究をもとに、
トレーニング時間帯の考え方を整理します。

CIRCADIAN RHYTHM
STRENGTH
HYPERTROPHY
RECOVERY

RESEARCH REVIEW / 2026.10.25

QUICK ANSWER

朝と夜。
筋肥大に明確な
優劣は確認されていない。

現在の研究では、
朝と夕方・夜のどちらか一方が、
筋力向上や筋肥大に
一貫して優れているとは言えません。

一方で、運動を行う瞬間の
筋力やパフォーマンスには、
時間帯による違いが生じる場合があります。

01 / PERFORMANCE
その場の筋力

平均的には午後から夕方にかけて
高い筋力が発揮される傾向がある。

02 / ADAPTATION
長期的な筋力向上

朝と夜のトレーニングで、
明確な優劣が確認されない研究がある。

03 / HYPERTROPHY
筋肥大

トレーニング時間帯だけで
筋肉の成長が決まるわけではない。

※研究対象者、測定方法、運動期間によって
結果は異なります。
「差が検出されなかった」ことは、
あらゆる条件で完全に同じ効果があると
証明されたことを意味しません。

TRAIN WHEN
YOU CAN TRAIN.

01 / TWO DIFFERENT OUTCOMES

「今、強い」と
「強くなる」は違う。

トレーニングの時間帯について考えるとき、
最初に区別したいことがあります。

それは、
その瞬間にどれだけ力を発揮できるかという
急性的なパフォーマンスと、
数週間から数か月のトレーニングによって
身体がどのように変化するかという
長期的な適応です。

ACUTE PERFORMANCE

急性的な
パフォーマンス

その日の筋力や
運動能力を評価するもの。

評価例
最大筋力・パワー・ジャンプ能力

時間軸
その日の運動・測定時点

CHRONIC ADAPTATION

長期的な
トレーニング適応

継続的なトレーニングによって
生じる身体の変化。

評価例
筋厚・筋量・最大筋力の変化

時間軸
数週間から数か月

夕方に強い力を発揮できれば、
筋肉も大きくなる?

必ずしもそうとは限りません。

ある時間帯に高い筋力を発揮できることは、
その時間帯にトレーニングすれば
長期的な筋肥大も大きくなることを
直接証明するものではありません。

IMPORTANT

時間帯による一時的な筋力の違いと、
継続的なトレーニングによる
筋力・筋量の変化は、
分けて評価する必要があります。

02 / CIRCADIAN RHYTHM

なぜ夕方は、
力を発揮しやすいのか。

私たちの身体には、
約24時間周期で変化する
概日リズムがあります。

睡眠と覚醒、体温、
ホルモン分泌など、
さまざまな生理機能が
このリズムと関係しています。

筋力発揮にも時間帯による変化があり、
集団平均では午後から夕方にかけて
高い値を示す研究が報告されています。

AM
MORNING

朝

起床からの経過時間や
身体の状態によって、
筋力発揮の感覚が変わる場合があります。

PM
AFTERNOON

午後・夕方

集団平均では、
筋力やパフォーマンスが
高くなる傾向が報告されています。

PM
EVENING

夜

運動の時間帯だけでなく、
就寝までの時間や
運動強度も考慮する必要があります。

ただし、
すべての人の筋力が
同じ時間帯に最大になるわけではありません。

個人の生活リズムや睡眠、
運動経験などによっても
パフォーマンスは変動します。

03 / SCIENTIFIC EVIDENCE

朝と夜の効果を、
研究で比較する。

トレーニング時間帯に関する研究では、
朝と夕方・夜に運動するグループを比較し、
筋力や筋量の変化を調べています。


SYSTEMATIC REVIEW / 2019

朝と夜の筋肥大・筋力向上を比較

11
対象研究数

Grgicらは2019年、
朝と夕方・夜のレジスタンストレーニングを
比較した11研究をまとめました。

トレーニング開始前の筋力は、
夕方に高い傾向が確認されました。

一方、
トレーニングによる筋力向上や
筋肥大の大きさについては、
朝と夜でおおむね同程度でした。

KEY FINDING

夕方に高い筋力を発揮できても、
長期的な筋肥大が必ず大きいわけではない。


SYSTEMATIC REVIEW / 2023

運動時間帯に関する研究を統合

26
レビュー対象論文数

Bruggisserらは2023年、
筋力トレーニングや持久力トレーニングの
時間帯に関する26論文を整理しました。

そのうち7論文が
メタ解析に含まれています。

全体として、
特定の時間帯に運動することで
身体機能や健康指標の改善が
大きくなるという明確な根拠は
得られませんでした。

一部の評価では、
トレーニングする時間帯と
能力を測定する時間帯が一致した場合に、
有利になる可能性が示されました。

INTERPRETATION

何時に鍛えるかと、
何時に能力を測定するかも区別する。

※研究間のばらつきが大きく、
多くの研究でバイアスのリスクが
高いと評価されています。

04 / NEW RESEARCH 2026

2026年の研究では、
何が分かった?

2026年には、
トレーニング時間帯と
身体の適応について検討した
新しい研究が発表されています。


EXPERIMENTAL PHYSIOLOGY / 2026

朝と夕方の筋トレを
6週間比較した研究

36
参加者
6
週間
3
回/週

Dighririらの研究では、
健康な成人36名を
朝・夕方・非運動のグループに
ランダムに割り付けました。

トレーニング群は、
週3回、6週間の
レジスタンストレーニングを行いました。

MORNING
6:00–10:00

朝のトレーニング群

EVENING
16:00–20:00

夕方のトレーニング群

筋力や大腿外側広筋の筋厚などに
トレーニングによる改善が認められました。

しかし、
朝と夕方のグループ間で
トレーニング適応に明確な差は
検出されませんでした。

RESEARCH INTERPRETATION

この研究は、
朝と夕方のどちらでも
筋力や筋厚の改善が起こり得ることを
支持しています。
ただし、参加者数と研究期間には
限界があります。


JOURNAL OF CACHEXIA,
SARCOPENIA AND MUSCLE / 2026.09

自分が最も力を発揮できる時間に
鍛えた方がよいのか。

108
ランダム化人数
12
週間
93
解析対象者数

Bruggisserらは2026年9月25日、
60〜80歳の成人を対象とした
ランダム化比較試験を発表しました。

この研究の特徴は、
単純に朝と夜を比較するのではなく、
参加者ごとに
最も筋力を発揮できる時間帯と、
最も低い時間帯を調べたことです。

そのうえで、
筋力発揮が高い時間帯に鍛える群と、
低い時間帯に鍛える群を比較しました。

PEAK TIME
高い時間帯

個人の筋力発揮が高い時間

TROUGH TIME
低い時間帯

個人の筋力発揮が低い時間

12週間の介入では、
週2回の全身レジスタンストレーニングと、
週1回の持久力トレーニングを行いました。

結果として、
最大筋力や四肢除脂肪量指数などの
評価指標において、
ピーク時間帯のトレーニングが
明確に優れているという結果は
得られませんでした。

KEY FINDING / 2026

最も力が出る時間に
鍛えたからといって、
必ず成長が大きいわけではない。

この研究では、
個人の筋力発揮の時間帯に合わせることが、
長期的な適応を明確に高めるとは
確認されませんでした。

※対象は60〜80歳の成人です。
また、筋量に関する評価は
四肢除脂肪量指数であり、
個別の筋肉の筋肥大を
直接測定したものではありません。

OVERALL EVIDENCE

2019年・2023年のレビューと
2026年の介入研究を合わせると、
朝と夕方・夜のどちらかが
長期的な筋力向上や筋肥大に
一貫して優れるとは言い切れません。

05 / EVENING TRAINING & SLEEP

夜の筋トレは、
睡眠に悪い?

夜にトレーニングする場合、
筋力や筋肥大だけでなく、
睡眠との関係も考える必要があります。

2026年8月に発表された
系統的レビューでは、
朝と夕方・夜の運動が
睡眠へ与える影響について、
25研究が整理されました。

多くの睡眠指標について、
朝と夜のどちらが明確に優れているという
結果は得られませんでした。

一方、
夕方・夜の運動では
入眠後の覚醒時間が
増える可能性も示されました。

この結果には研究規模などによる
不確実性があり、
夜の運動が必ず睡眠を悪化させる
という意味ではありません。

01 / INTENSITY

運動強度

高強度の運動では、
睡眠への影響が
異なる可能性があります。

02 / TIMING

就寝までの時間

就寝直前か、
十分な時間が空いているかも
判断材料になります。

03 / INDIVIDUAL

個人の反応

夜に運動した日の
入眠や睡眠の状態を
確認することが大切です。

PRACTICAL POINT

夜のトレーニングを
一律に避ける必要はありません。
ただし、運動後に寝つきが悪くなる場合は、
強度や終了時間を調整する方法があります。

06 / PRACTICAL APPLICATION

では、何時に
トレーニングする?

研究結果を実際の生活に取り入れる際には、
トレーニング時間帯だけでなく、
目的、生活リズム、睡眠、
運動を継続できる環境を
合わせて考える必要があります。

CASE 01 / MORNING

朝にトレーニングする場合

仕事前など、
朝の時間を確保しやすい人にとっては
一つの選択肢になります。

起床後の身体の感覚を確認し、
必要に応じてウォームアップや
負荷設定を調整します。

POINT / その日の状態を確認する

CASE 02 / AFTERNOON

午後・夕方にトレーニングする場合

筋力やパフォーマンスを
発揮しやすい時間帯になる人もいます。

ただし、
この時間帯に鍛えることが
長期的な筋肥大を最大化すると
証明されているわけではありません。

POINT / パフォーマンスと適応を分ける

CASE 03 / EVENING

夜にトレーニングする場合

仕事や家庭の予定を終えてから
運動時間を確保する方法があります。

就寝時刻との関係を考え、
運動後の睡眠に影響が出ていないか
確認するとよいでしょう。

POINT / 睡眠との両立を考える

時間帯を決めるときの4つの視点

01

無理なく運動時間を確保できるか。

02

必要なトレーニング量を継続できるか。

03

睡眠や回復に悪影響が出ていないか。

04

目的に合った運動を行える状態か。

これらは、
特定の時間帯の優位性を示すものではなく、
実際にトレーニングを組み立てる際の
判断材料です。

07 / STUDIO KOMPAS

トレーニングを、
生活から切り離さない。

STUDIO KOMPASでは、
トレーニングする時間帯だけで
メニューを決めることはありません。

その人の目的や運動経験、
身体の状態、
生活のリズムを確認しながら、
必要なトレーニングを考えます。

朝に運動する方が続けやすい人もいれば、
夜に身体を動かすことが
生活の楽しみになっている人もいます。

研究で示される集団としての傾向と、
実際の一人ひとりの生活は、
必ずしも同じではありません。

STUDIO KOMPAS渋谷店は、
毎日6:00〜23:00まで営業しています。

時間帯を一つに決めつけず、
自分の生活に合わせて
トレーニングを続けられる環境を
提供しています。

TRAINING
FITS YOUR LIFE.

FAQ

よくある質問。

筋トレは朝と夜、どちらが筋肥大に効果的ですか?

現在の研究では、
朝と夕方・夜のどちらかが
筋肥大に一貫して優れているとは
確認されていません。
運動量や継続性なども考慮する必要があります。

朝は筋力が出にくいので、
筋トレを避けた方がよいですか?

避ける必要はありません。
朝は夕方より筋力発揮が低い場合がありますが、
朝のトレーニングでも
筋力向上や筋肥大が期待できます。

筋トレは夕方が最も効果的ですか?

夕方に高い筋力を発揮できる人はいます。
しかし、夕方のトレーニングが
長期的な筋力向上や筋肥大を
必ず最大化するとは言えません。

夜遅くに筋トレすると、
睡眠に悪影響がありますか?

必ず悪影響があるわけではありません。
ただし、運動強度や就寝までの時間によって
睡眠に影響する可能性があります。
個人の反応を確認して調整することが大切です。

毎回同じ時間に筋トレした方がよいですか?

必ず同じ時間に固定する必要はありません。
研究では、運動する時間帯と
能力を測定する時間帯が一致することで
一部のパフォーマンス指標に
利点が生じる可能性があります。
ただし、すべての人に
時間固定が必要という意味ではありません。

SCIENTIFIC REFERENCES

参考文献

  1. Grgic J, et al. (2019).
    The effects of time of day-specific
    resistance training on adaptations
    in skeletal muscle hypertrophy
    and muscle strength:
    A systematic review and meta-analysis.
    Chronobiology International.


    論文を確認する ↗

  2. Bruggisser F, et al. (2023).
    Best Time of Day for Strength and
    Endurance Training to Improve
    Health and Performance?
    A Systematic Review with Meta-analysis.
    Sports Medicine – Open.


    論文を確認する ↗

  3. Dighriri A, et al. (2026).
    The impact of the time of day on
    muscle and metabolic responses
    to resistance exercise in healthy adults:
    A randomised controlled trial.
    Experimental Physiology.


    論文を確認する ↗

  4. Bruggisser F, et al. (2026).
    Effects of Daily Rhythm-Aligned Training
    on Skeletal Muscle Adaptation in Older Adults:
    A Randomized Controlled Trial.
    Journal of Cachexia,
    Sarcopenia and Muscle.


    論文を確認する ↗

  5. Souabni M, et al. (2026).
    Effects of morning versus evening
    exercise on sleep:
    a systematic review of comparative
    studies with a meta-analysis of
    randomized controlled trials.
    Sleep Medicine Reviews.


    論文を確認する ↗

本記事は2026年10月25日時点で
確認できる研究情報をもとに構成しています。
研究で確認された結果と、
実践上のトレーニング選択の考え方を
区別して記載しています。

AUTHOR / SUPERVISOR

執筆・監修

山岸 慎

STUDIO KOMPAS創業者・パーソナルトレーナー
NSCA-CSCS

STUDIO KOMPAS渋谷店にて、
パーソナルトレーニングの指導を行う。
運動学・身体評価・トレーニング科学の
知見を踏まえ、
一人ひとりの目的や身体の状態に応じた
トレーニングを提供している。


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