HIP / ANKLE / SQUAT MECHANICS

股関節が硬いと、
スクワットできない?

股関節は大切。
でも、股関節だけでは決まりません。

スクワットで深くしゃがめないと、
「股関節が硬いから」と考えることがあります。
実際、股関節の可動域はスクワットに関係します。
ただし、足関節や体幹、左右差、荷重時の動きなども含めて見る必要があります。

STUDIO KOMPAS
SQUAT MECHANICS
SCIENCE × FIELD PRACTICE

QUICK ANSWER

股関節の硬さは影響する。
でも、それだけではない。

スクワットでしゃがみにくいとき、
股関節の可動域は確認したい要素の一つです。

ただし股関節は、
屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋など
複数の方向へ動く関節です。

さらに、
寝た状態では動くのに立ってしゃがむと動きにくい、
足首が動きにくい、
左右で動き方が違う、
といったケースもあります。

そのためKOMPASでは、

「股関節が硬い」という一言だけで原因を決めません。

01 / HIP RANGE OF MOTION

「股関節が硬い」は、
一つの動きではありません。

股関節は球関節であり、
屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋など
複数方向へ動きます。

スクワットでは特に股関節屈曲が大きくなりますが、
屈曲だけを見れば十分というわけではありません。

たとえば股関節屈曲は確保できていても、
内旋・外旋に左右差がある場合には、
しゃがみ込む過程で左右の動き方が変わることがあります。

研究でも、スクワット深度と股関節屈曲ROMには関連が報告されています。
ただし、これは「股関節屈曲だけでスクワット深度が決まる」という意味ではありません。


SCIENCE

101名を対象とした研究では、
股関節屈曲ROMや足関節背屈ROMなどが
スクワット深度と関連していました。[oai_citation:2‡PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25964810/?utm_source=chatgpt.com)

NON-WEIGHT BEARING ≠ WEIGHT BEARING

寝て動く。
立つと動かない。

同じ関節でも、
条件が変われば動き方は変わります。

02 / WEIGHT BEARING

非荷重の可動域と、
荷重した動作を分けて見る。

KOMPASでは、股関節の可動性を見るときに
寝た状態などの非荷重条件だけで判断しません。

非荷重では十分に動くのに、
立位やスクワットなど荷重下になると動きにくい場合があります。

このような場合、
関節そのものの受動的な可動域だけではなく、
バランス、他関節との協調、
体幹のコントロール、
動作課題そのものなども確認します。

逆に、非荷重でも特定方向の可動域が小さい場合には、
その制限自体がスクワットに関係している可能性も考えます。

03 / LATERAL SHIFT

しゃがむと、
お尻が左右へ流れる。

スクワットを後ろから見たとき、
しゃがむにつれて骨盤や臀部が
左右どちらかへシフトすることがあります。

その場合、
股関節の内旋・外旋ROMの左右差は
確認したい項目の一つです。

ただし、
シフトがあるから股関節回旋の左右差が原因だと
その場で決めるわけではありません。

体幹のコントロール、
足部・足関節、
荷重の偏りなども含めて確認します。


KOMPAS EVALUATION

左右差が見えたときに
確認すること

股関節内旋・外旋ROM

左右の荷重

足部・足関節

体幹のコントロール

実際のスクワット動作

スクワットと足部・足関節の動きを確認する図

04 / ANKLE DORSIFLEXION

踵が浮くなら、
足首も見る。

スクワットで踵が浮く場合、
KOMPASではまず足関節背屈の可動性を確認します。

足関節で必要な動きを確保しにくければ、
身体は別の部位の動きを変えて
スクワットを成立させることがあります。

実際に、足関節背屈が制限された群では、
スクワット中の骨盤ROM、股関節・腰椎屈曲、
体幹前傾が大きかったという研究があります。[oai_citation:3‡PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41196246/?utm_source=chatgpt.com)

だからこそ、
「股関節が硬そうに見える」という見た目だけで
股関節をストレッチするのではなく、
足関節も含めて確認します。

05 / BUTT WINK

バットウィンクも、
一つの原因で説明しない。

深くしゃがんだときに骨盤が後傾し、
腰部の形が変わる現象は
一般に「バットウィンク」と呼ばれます。

現場では、
ハムストリングスや臀部の柔軟性、
股関節の可動性、
足関節、
体幹のコントロールなどを
評価項目として確認することがあります。

ただし、
バットウィンクが一つの筋肉や
一つの関節だけを原因として起こると
単純化することは避けます。

スクワットの深さや足幅、
足関節可動性などの条件でも
骨盤・腰部・股関節の運動は変わります。[oai_citation:4‡PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41196246/?utm_source=chatgpt.com)


POINT

「バットウィンクがあるか」だけでなく、
どの深さから起こるのか、
負荷を変えるとどうなるのか、
足幅を変えるとどうなるのかまで確認します。

06 / SQUAT FORM

全員同じ
「正しいフォーム」ではない。


01


STANCE WIDTH

足幅

身体寸法や股関節・足関節の特徴によって、
しゃがみやすい足幅は変わります。


02


FOOT ANGLE

つま先の向き

全員が同じ角度で行う必要はありません。
足幅や目的と合わせて調整します。


03


DEPTH

しゃがむ深さ

深いほど常に優れているとは考えず、
現在コントロールできる範囲を基準にします。


04


CURRENT BEST

現時点のベター

関節可動域、筋力、経験、目的を踏まえ、
その段階でより良いフォームを探します。

研究でも、
足幅やつま先角度を変えると
股関節・膝関節の運動や関節モーメントが変化します。[oai_citation:5‡PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30026952/?utm_source=chatgpt.com)

また身体寸法によっても、
スクワット中に必要となる足関節・膝関節の角度は変わる可能性があります。[oai_citation:6‡PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29997725/?utm_source=chatgpt.com)

そのためKOMPASでは、
「全員この足幅、このつま先角度、この深さ」
という一つの形を正解として押し付けません。

07 / TRAINING

可動域が改善するまで、
スクワットを待たない。

可動域に制限があるとき、
ストレッチやモビリティエクササイズを
補助的に行うことがあります。

しかしKOMPASでは、
「可動域制限が完全になくなるまでスクワットをしない」
とは考えません。

現時点でコントロールできる深さ、
足幅、つま先角度、
負荷を設定し、
スクワット動作そのものも練習します。

自重で十分な場合もあれば、
補助を使う場合、
重りを持つ場合もあります。


必要な可動性へのアプローチと、
現在できる動作の練習を並行して考える。

そのときの身体・目的・経験に合わせて、
負荷、回数、セット数を選択していきます。

STUDIO KOMPAS

「硬い場所」を探すより、
なぜ動きにくいかを見る。

「股関節が硬い」
「足首が硬い」
「体幹が弱い」。

こうした言葉は身体を理解する入口にはなりますが、
一つの言葉だけで動作全体を説明できるとは限りません。

KOMPASでは、
非荷重での関節可動域、
荷重したときの動き、
他関節との関係、
実際のスクワットを見ながら整理します。

そして評価だけで終わらず、

現時点で可能な方法を選び、
トレーニングとして動作を伸ばしていく。

一つの絶対的な正解ではなく、
その人のその時点でのベターを探す。
それがKOMPASの考え方です。

REFERENCES

参考文献

  1. Kim SH, et al.
    Lower extremity strength and the range of motion in relation to squat depth.
    Journal of Human Kinetics.
    股関節屈曲ROM・足関節背屈ROM等とスクワット深度の関連を検討。
  2. Effect of Limited Ankle Dorsiflexion on Lower Limbs and Trunk Kinematics During Squatting.
    足関節背屈制限と骨盤・腰椎・股関節・体幹運動との関連を検討。
  3. Lorenzetti S, et al.
    How to squat? Effects of various stance widths, foot placement angles and level of experience on knee, hip and trunk motion and loading.
    足幅・足部角度によるスクワット動作・関節負荷の違いを検討。
  4. The Effect of Stance Width and Anthropometrics on Joint Range of Motion in the Lower Extremities during a Back Squat.
    足幅・身体寸法と下肢関節ROMの関係を検討。
  5. Greater squat stance width alters three-dimensional hip moment demands.
    足幅変更による股関節モーメントの変化を検討。

本記事では、研究で確認されている一般的な傾向と、
STUDIO KOMPASにおける評価・トレーニング上の考え方を分けて記載しています。
個人の状態や痛み、既往歴によって適切な運動方法は異なります。

STUDIO KOMPAS渋谷店で身体評価をもとにトレーニングを行う様子

STUDIO KOMPAS / SHIBUYA

股関節だけではなく、
動作全体を見る。

可動域を見る。
荷重したときの動きを見る。
足関節や体幹を見る。
そして実際にスクワットをする。

STUDIO KOMPASでは、
身体の一部分だけを原因に決めつけず、
現在の身体から必要なトレーニングを考えます。


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