TRAINING SCIENCE / WEEKLY VOLUME
筋トレのセット数は、
何セット必要?
筋肉を増やすために、
何セット行えばよいのか。
1種目3セット。
週10セット。
できるだけ多く。
筋トレのセット数には、
さまざまな目安があります。
しかし、セット数は
多ければ多いほどよいのでしょうか。
この記事では、
2026年のACSM指針と研究レビューをもとに、
筋肥大に必要なトレーニング量と、
実際のプログラムへの取り入れ方を整理します。
QUICK ANSWER
セット数は重要。
ただし、多ければよいわけではない。
筋肥大を目的としたトレーニングでは、
1週間にどの程度のセット数を行うかが
重要な要素の一つです。
2026年に公表された
米国スポーツ医学会(ACSM)の指針では、
筋肥大を高めるための目安として
筋群あたり週10セット程度の
トレーニング量が示されています。
ただし、
週10セット未満では筋肉が成長しない、
という意味ではありません。
また、セット数を増やし続ければ
同じ割合で筋肥大が進むわけでもありません。
THE KEY POINT
必要な刺激を、
継続できる量で積み重ねる。
セット数だけでなく、
負荷・努力度・回復・運動経験を
合わせて考えることが重要です。
01 / DEFINITION
筋トレのセット数とは?
セットとは、
一定の反復回数をまとめて行う
トレーニングの単位です。
例えば、
ベンチプレスを10回行い、
休憩してから再び10回行う場合、
2セット実施したことになります。
EXAMPLE / BENCH PRESS
10 REP
10 REP
10 REP
TOTAL / 3 SETS
ウォームアップも数える?
一般的にトレーニング量を考える際には、
軽い準備運動と、
目的に対して十分な負荷を用いた
メインセットを区別します。
例えば、
軽い重量で身体を慣らすセットと、
筋肥大を目的として
十分な努力度で行うセットでは、
同じ1セットでも刺激が異なります。
POINT
セット数だけでは、
トレーニング刺激の大きさを
完全には表せません。
02 / RESEARCH EVIDENCE
セット数を増やすと、
筋肥大は大きくなる?
週間セット数と筋肥大の関係については、
複数の研究が行われています。
2025年のメタ回帰分析
Pellandらの研究では、
67研究・2,058名のデータを用いて、
週間トレーニング量や頻度と、
筋肥大・筋力向上の関係が検討されました。
解析では、
週間セット数が増えるほど
筋肥大が大きくなる傾向が示されました。
ただし、
セット数を増やした際の追加効果は
次第に小さくなる傾向も報告されています。
DOSE–RESPONSE RELATIONSHIP
増加
週間セット数が増える
増加傾向
筋肥大の効果が大きくなる傾向
逓減
追加セットによる効果は小さくなる傾向
つまり、
セット数を増やすことには意味がありますが、
その効果は一定ではありません。
研究で確認されたのは
集団としての傾向であり、
すべての人に共通する
最適セット数が決まったわけではありません。
2023年のネットワークメタ解析
Currierらの研究では、
筋肥大に関する119研究・3,364名を含む
ネットワークメタ解析が行われました。
その結果、
検討されたレジスタンストレーニングの条件は、
運動しない場合と比較して
筋肥大に有利でした。
また、
複数セットを行う条件が
筋肥大において高く評価されました。
RESEARCH INTERPRETATION
研究結果は、
セット数を増やすことが
必ず個人にとって最善であると
示したものではありません。
03 / WEEKLY 10 SETS
週10セットは、
絶対に必要?
WEEKLY VOLUME
10SETS
筋群あたりの週間セット数を考える際の
一つの目安
2026年のACSM指針では、
筋肥大を高めるための
週間トレーニング量として、
筋群あたり約10セットが示されています。
しかし、
この数字は全員に必要な最低条件ではありません。
トレーニングを始めたばかりの人と、
長期間トレーニングを続けている人では、
必要な刺激や回復能力が異なる場合があります。
また、
同じ10セットでも、
重量、反復回数、
限界までの余力、
種目の組み合わせによって
トレーニングの内容は変わります。
5セットでは意味がない?
そのようなことはありません。
研究では、
比較的少ないトレーニング量でも、
運動しない場合と比べて
筋力や筋量の改善が認められています。
週10セットという数字を
すべての人の開始条件にする必要はありません。
10セットという数字を
達成することが目的ではない。
04 / HOW TO COUNT
複数の種目を、
どう数える?
週間セット数を考える際には、
どの筋群に対するトレーニングなのかを
整理する必要があります。
例えば胸のトレーニング
WEEKLY CHEST TRAINING / EXAMPLE
6 SETS
4 SETS
TOTAL / 10 SETS
これは胸部を主な対象とする
週間セット数の数え方の一例です。
ただし、
ベンチプレスでは大胸筋だけでなく、
上腕三頭筋や三角筋なども働きます。
そのため、
胸の10セットを
上腕三頭筋の10セットとして
そのまま数えてよいとは限りません。
直接刺激と間接刺激
2025年のPellandらの研究では、
対象となる筋群が主に働くセットと、
間接的に働くセットを区別して解析しています。
研究上のモデルでは、
間接的なセットを0.5セットとして扱う
計算方法も検討されました。
ただし、
あらゆる複合種目の間接刺激が
必ず0.5セットに相当すると
証明されたわけではありません。
IMPORTANT
セット数の集計方法によって、
同じトレーニングプログラムでも
週間セット数の数値は変わります。
05 / PRACTICAL PROGRAMMING
週間セット数を、
どう組み立てる?
例えば、
ある筋群に対して
週10セットを行う場合でも、
実施方法は一つではありません。
EXAMPLE 01
週2回に分ける
5 + 5
1回5セットを週2回。
EXAMPLE 02
週3回に分ける
4 + 3 + 3
3日に分散して合計10セット。
どちらも週間セット数は同じですが、
1回あたりの運動量や
疲労の現れ方は異なる場合があります。
トレーニング頻度については、
週間運動量を揃えた場合に、
筋肥大への影響が小さくなることを示す
研究もあります。
そのため、
何曜日に何セット行うかだけでなく、
継続して十分な運動量を確保できるかが重要です。
06 / ADJUSTMENT
セット数を増やすのは、
どんなとき?
トレーニングを続けていると、
重量や反復回数が変化します。
その際、
必ずセット数を増やさなければならない
わけではありません。
セット数を変更する前に、
現在のトレーニングが
目的に対してどの程度の刺激になっているかを
確認します。
01 / PERFORMANCE
重量・回数
同じ条件で扱える重量や
反復回数に変化があるか。
02 / EFFORT
努力度
目標に対して十分な努力度で
セットを行えているか。
03 / RECOVERY
回復
次のトレーニングまでに
疲労から回復できているか。
04 / CONSISTENCY
継続
現在の運動量を
無理なく続けられているか。
増やす前に、質を確認する
例えば、
予定していた反復回数を
毎セット十分な余力を残して終えている場合、
セット数を増やす前に
重量や努力度を調整する方法があります。
一方、
すでに高い努力度でトレーニングしていて、
回復にも問題がない場合には、
週間セット数を段階的に増やすことが
選択肢になります。
ただし、
数週間の変化が小さいことだけで
セット数不足と断定することはできません。
栄養、睡眠、
トレーニング経験、
プログラムの継続期間なども
合わせて確認する必要があります。
07 / STUDIO KOMPAS
数字だけで、
トレーニングを決めない。
週10セット。
1種目3セット。
週2回。
こうした数字は、
トレーニングを組み立てるための
参考になります。
しかし、
同じ数字がすべての人に
適しているとは限りません。
STUDIO KOMPASでは、
一人ひとりの目的や運動経験、
現在の身体の状態、
ライフスタイルを確認しながら
トレーニングを組み立てています。
筋力を高めたいのか。
筋肉量を増やしたいのか。
運動を習慣にしたいのか。
スポーツのために身体を鍛えたいのか。
目的によって、
必要な負荷やセット数、
確認すべき変化は異なります。
トレーニングは、
決められたセット数を消化するための
ものではありません。
自分の身体と目的に合わせて
内容を調整し、
その過程を楽しみながら
継続していくことも大切だと考えています。
FAQ
よくある質問。
Q. 筋トレは1種目3セット必要ですか?
必ずしも3セットが必要とは限りません。
1種目のセット数だけでなく、
週間全体の運動量、
負荷、努力度、目的を合わせて考えます。
Q. 週10セット以下では筋肥大しませんか?
週10セット未満でも筋肥大は起こり得ます。
週10セット程度は研究を踏まえた
一つの目安であり、
全員に必要な最低条件ではありません。
Q. セット数は多いほど効果がありますか?
セット数を増やすことで
筋肥大が大きくなる傾向はありますが、
追加効果は次第に小さくなることが
研究で示されています。
回復や継続可能性も考慮する必要があります。
Q. ウォームアップもセット数に含めますか?
一般的な週間トレーニング量の管理では、
軽い準備運動と、
十分な刺激を与えるメインセットを
区別して考えます。
Q. 週2回と週3回ではどちらがよいですか?
一律には決められません。
週間セット数、
1回あたりの疲労、
運動経験、
生活のスケジュールなどを考慮します。
REFERENCES
参考文献・公的資料
-
American College of Sports Medicine.
Resistance Training Prescription for
Muscle Function, Hypertrophy, and
Physical Performance in Healthy Adults:
An Overview of Reviews.
Medicine & Science in Sports & Exercise.
2026;58(4):851–872. -
Pelland JC, et al.
The Resistance Training Dose Response:
Meta-Regressions Exploring the Effects
of Weekly Volume and Frequency on
Muscle Hypertrophy and Strength Gains.
Sports Medicine.
DOI: 10.1007/s40279-025-02344-w. -
Currier BS, et al.
Resistance training prescription for
muscle strength and hypertrophy
in healthy adults:
a systematic review and Bayesian
network meta-analysis.
British Journal of Sports Medicine.
2023. -
American College of Sports Medicine.
5 Things to Know About Creating
an Effective Resistance Training Plan.
2026.
本記事では、研究に基づく一般的な知見と、
STUDIO KOMPASにおける
トレーニングの考え方を区別しています。
掲載したセット数の例は、
すべての人に共通する最適な処方を
示すものではありません。
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