DEADLIFT / HIP HINGE / MOVEMENT

デッドリフトの
フォームとは?

「背中を真っ直ぐにする」だけでは、
デッドリフトの動きは説明できません。

デッドリフトは、
股関節・膝・体幹などを使いながら
外部の負荷を持ち上げる複合的なトレーニングです。

その中でよく使われる言葉が、
「ヒップヒンジ」。

この記事では、
デッドリフトを一つの正解フォームへ当てはめるのではなく、
股関節の動き、スクワットとの違い、
負荷によるフォーム変化まで整理します。

DEADLIFT
HIP HINGE
HIP
TRUNK
STUDIO KOMPAS

QUICK ANSWER

まず、結論。


デッドリフトは、
「腰を曲げずに股関節だけを動かす運動」
と単純に定義できるものではありません。

デッドリフトでは、
股関節・膝関節・足関節、
そして体幹を含む複数の部位が関わります。

その中でも、
股関節を中心に身体を折りたたみ、
再び伸展していく動きは
デッドリフトを理解する重要な要素です。

ただし、
コンベンショナル、スモウ、ヘックスバー、
ルーマニアンデッドリフトなど、
種類が変われば身体の使い方も変化します。

01 / DEADLIFT

デッドリフトは、
全身で負荷を扱う。

デッドリフトは、
床付近にあるバーベルなどの負荷を
立位まで持ち上げる代表的な
レジスタンストレーニングです。

動作には、
股関節、膝関節、足関節、
体幹など複数の部位が関わります。

そのため、
「お尻の種目」
「背中の種目」
「脚の種目」と
一つだけに分類するよりも、

全身で外部の負荷を扱う動作

と考える方が実際の運動に近くなります。

01
FOOT

床と接する

足部を通して
地面から力を受けます。

02
KNEE

膝が動く

デッドリフトの種類やフォームによって
膝関節の使われ方も変わります。

03
HIP

股関節が動く

股関節の屈曲と伸展は
デッドリフトの主要な要素です。

04
TRUNK

体幹で負荷を扱う

外部負荷に対して
体幹をコントロールします。

NOT JUST “KEEP YOUR BACK STRAIGHT.”

背中だけを見て、
デッドリフトを
判断しない。

足元から股関節、体幹、負荷まで。
動作全体を見る。

02 / HIP HINGE

ヒップヒンジとは?

ヒップヒンジは、
股関節を中心に
上半身と大腿部の位置関係を変えていく
動作パターンを表す言葉です。

「お尻を後ろへ引く」という
キューで説明されることもあります。

デッドリフトや
ルーマニアンデッドリフトなどを
学習するときに使われることが多い考え方です。

01
START
立位から始める

02
HINGE
股関節を曲げる

03
LOAD
負荷を受ける

04
EXTEND
股関節を伸ばす

03 / SQUAT VS DEADLIFT

スクワットと
何が違う?

スクワットもデッドリフトも、
股関節や膝関節を使う
複合的なトレーニングです。

そのため、
「スクワットは膝」
「デッドリフトは股関節」と
完全に分けることはできません。

ただし、
バーベルの位置や身体の角度、
関節の動きが異なるため、
関節に求められる力学的な条件も変化します。

SQUAT

スクワット

膝と股関節を曲げながら
身体を下降させ、
再び立ち上がります。

スタンス、深さ、
バーベル位置などによって
動作は変化します。


スクワットの記事を読む →

DEADLIFT

デッドリフト

床付近にある負荷を
立位まで持ち上げます。

コンベンショナルやスモウなどでも
関節の使われ方は変化します。


YOU ARE HERE

RESEARCH

スクワットとデッドリフトを比較した研究では、
デッドリフトで股関節伸展モーメントが大きく、
スクワットでは膝関節伸展モーメントが
大きかったことが報告されています。

ただし、
これは「どちらが優れているか」を
示すものではありません。


目的によって、
種目を使い分ける。

04 / FORM

デッドリフトの
フォームを見るとき。

01

SET UP

開始姿勢

足幅、バーとの距離、
股関節と膝の位置などを確認します。

02

HIP

股関節

股関節をどの程度曲げ、
どのように伸展しているかを見ます。

03

TRUNK

体幹

外部負荷に対して
体幹をどのようにコントロールしているかを確認します。

04

BAR PATH

負荷の軌道

バーベルやダンベルが
身体に対してどのように移動しているかを見ます。

05

LOAD

使用重量

軽い重量での動作と
高い強度での動作が
必ず同じになるとは限りません。

06

PURPOSE

目的

筋力、筋量、競技、
動作学習など、
目的によって優先する要素も変わります。

KOMPAS VIEW

「正しい形」を
先に決めない。

身体の寸法も、
関節の動きも、
トレーニング経験も違います。

さらに、
デッドリフトには
複数のバリエーションがあります。

だからKOMPASでは、
全員を一つの見た目へ
無理に合わせることを目的にはしません。


何を目的としているのか。
どんな身体なのか。
どの負荷を扱っているのか。

その条件の中で
動作を考えます。

05 / LOAD & FATIGUE

重くなっても、
同じフォーム?

トレーニングフォームを考えるとき、
使用重量を無視することはできません。

2025年のシステマティックレビューでは、
スクワット・ベンチプレス・デッドリフトにおいて
強度上昇や疲労に伴って
バーベル速度や関節運動などが変化することが
報告されています。

また、
トレーニング経験者を対象とした
デッドリフト研究でも、
最大負荷では低い負荷と比較して
下部胸椎の屈曲角度などに変化が確認されています。

つまり、

軽い重量でできたフォームを、
高重量でも完全に同じ形で再現できるとは限りません。


フォームを見るなら、
重量も一緒に見る。

「フォームが崩れた」という言葉だけでなく、
どの重量・どの回数・どの疲労状態で
どのような変化が起きたのかを確認します。

06 / VARIATION

デッドリフトは、
一種類ではない。

01

CONVENTIONAL

コンベンショナル

比較的狭いスタンスで行う
一般的なデッドリフトの一つ。

02

SUMO

スモウ

スタンスを広く取り、
コンベンショナルとは異なる
関節配置で行います。

03

ROMANIAN

ルーマニアン

股関節の動きを学習したり、
股関節伸展筋群へ負荷を与えたりするときに
使用されることがあります。

04

HEX BAR

ヘックスバー

身体の周囲にバーが位置するため、
ストレートバーとは
力学的条件が異なります。

研究でも、
コンベンショナル、スモウ、ヘックスバーでは
股関節や膝関節の角度・モーメントなどに
違いが確認されています。

そのため、

「デッドリフトの正解フォーム」を
一つの写真だけで定義することには限界があります。

07 / BEGINNER

初心者は、
いきなり床から引かなくてもいい。

デッドリフトを始めるからといって、
最初から重いバーベルを
床から持ち上げる必要はありません。

まずは負荷を持たずに
股関節を動かす。

軽いダンベルを使う。

バーベルの開始位置を高くする。

ルーマニアンデッドリフトなど、
別のバリエーションから始める。

目的や現在の身体に合わせて、

難易度を調整することも
トレーニングプログラムの一部

です。

08 / STUDIO KOMPAS

デッドリフトを教える前に、
身体と目的を見る。

デッドリフトをやりたい人。
スクワットを上手くなりたい人。
筋力を高めたい人。
身体を動かす習慣をつくりたい人。

同じトレーニングをしていても、
目的は一人ひとり違います。

KOMPASでは、
種目名からトレーニングを決めるのではなく、
目的と現在の身体を確認します。

必要に応じて、
股関節の動き、
足部・足関節、
体幹、
実際のヒンジ動作などを確認します。

そのうえで、
デッドリフトが必要なら使う。
別の方法が適しているなら、
その方法を選ぶ。


方法を先に決めるのではなく、
身体を見てから方法を選ぶ。

09 / FAQ

デッドリフトについての
よくある質問

Q
デッドリフトでは背中を絶対に真っ直ぐにするべきですか?

「真っ直ぐ」という見た目だけで
フォームを判断することはできません。
デッドリフトでは体幹も外部負荷を受けます。
使用重量やデッドリフトの種類、
その人の身体を含めて動作を見ることが重要です。

Q
ヒップヒンジとスクワットは同じですか?

同じではありませんが、
完全に別々の動作でもありません。
どちらも股関節や膝関節など複数の関節を使います。
動作や負荷の位置によって
各関節に求められる条件が変わります。

Q
デッドリフトは腰に悪いですか?

デッドリフトという種目だけを理由に
「腰に悪い」と一律に判断することはできません。
一方で大きな外部負荷を扱える種目でもあるため、
現在痛みがある場合や既往歴がある場合は、
無理に行わず必要に応じて医療機関などへ相談してください。

Q
初心者でもデッドリフトをして大丈夫ですか?

運動経験に合わせて負荷や難易度を調整できます。
最初から高重量を床から引く必要はなく、
軽い負荷や別のバリエーションから
動作を練習する方法もあります。

Q
スクワットとデッドリフトは両方必要ですか?

必ず両方行わなければならないわけではありません。
目的や身体、トレーニング全体の構成から
必要な種目を選びます。

REFERENCES

参考文献

  1. Choe KH, et al.
    Hip and Knee Kinetics During a Back Squat and Deadlift.
    Journal of Strength and Conditioning Research. 2021.
  2. Gundersen AH, et al.
    A Biomechanical Comparison Between Conventional,
    Sumo, and Hex-Bar Deadlifts Among Resistance Trained Women.
    Journal of Strength and Conditioning Research. 2025.
  3. Swinton PA, et al.
    A Biomechanical Analysis of Straight and Hexagonal
    Barbell Deadlifts Using Submaximal Loads.
    Journal of Strength and Conditioning Research. 2011.
  4. Bakhshinejad JA, et al.
    Effects of Intensity and Fatigue on the Kinetics and
    Kinematics of the Barbell Squat, Bench Press, and Deadlift
    in Experienced Lifters: A Systematic Review.
    Sports Medicine – Open. 2025.

本記事は健康な成人の一般的な
レジスタンストレーニングについて
情報提供することを目的としています。
痛み、しびれ、外傷、既往歴などがある場合は、
必要に応じて医療機関などの専門家へご相談ください。

AUTHOR / SUPERVISOR

執筆・監修


山岸 慎

STUDIO KOMPAS創業者・パーソナルトレーナー|NSCA-CSCS

FINAL

デッドリフトをすることより、
なぜするのか。

デッドリフトは、
身体づくりに使える
トレーニングの一つです。

でも、
デッドリフトをすること自体が
目的ではありません。

身体を知る。
目的を知る。
必要な方法を選ぶ。

STUDIO KOMPASでは、
一つの種目へ身体を合わせるのではなく、
その人に必要なトレーニングを考えます。


身体評価からトレーニングを始める

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