SQUAT / FORM / BIOMECHANICS

スクワットの
正しいフォームは
一つ?

足幅は肩幅。
つま先はこの角度。
上体はまっすぐ。

スクワットには、よく使われるフォームの目安があります。
ただし、身体の構造や可動域、目的が違えば、
全員がまったく同じ形になるとは限りません。

STANCE WIDTH
FOOT ANGLE
BODY PROPORTION
TRAINING GOAL

「正しいフォーム」は、
目的と身体によって変わる。

KOMPASでは、
一つのフォームを全員に当てはめることはしません。

スクワットで大切なのは、
見本とまったく同じ形になることではなく、
現在の身体・目的・負荷に対して
適切に動作できることです。

足幅、つま先の向き、しゃがむ深さ、
上体の角度などは互いに影響します。

さらに、股関節や足首の可動域、
大腿や下腿などの身体寸法によっても
自然なフォームは変わります。

STUDIO KOMPASが制作したスクワットフォームの解説画像

フォームは、
身体の結果。

同じスクワットをしても、
全員が同じ角度にはなりません。

身体の構造、可動域、筋力、経験、
そして何を目的にスクワットするのか。

それらを踏まえてフォームを考えます。

なぜスクワットの形は
人によって違うのか。

スクワットは、
股関節・膝関節・足関節などを同時に使って
身体を上下させる動作です。

一つの関節だけで動作しているわけではありません。

例えば、足関節背屈を大きく使う人もいれば、
股関節の動きを比較的大きく使う人もいます。

足幅を変えれば、
股関節や膝関節で必要になる動きも変化します。

そのため、

見た目だけを基準に「この角度が正しい」と
全員へ当てはめることは難しい

と考えられます。

足幅は、
「肩幅」で固定しなくていい。

01
NARROW

狭め

足幅を狭くすると、
条件によって足関節や膝関節に必要になる
動きが大きくなることがあります。

02
MEDIUM

中間

基準として使いやすい幅ですが、
すべての人に最適という意味ではありません。

03
WIDE

広め

足幅が広くなることで、
股関節・膝関節・足関節で必要になる
運動や負荷配分が変わります。

SCIENCE

足幅によって関節運動は変化します。

Lorenzettiらは、
スクワットの足幅と足部角度を変えることで、
股関節・膝関節の運動や関節モーメントが変化することを報告しています。

また、Keinerらの研究では、
狭い足幅ほど足関節背屈などの関節角度が
大きくなる傾向が示されています。

「肩幅が絶対に正しい」というより、
身体と目的に応じて足幅を選ぶことが重要です。

つま先は、
必ず真正面?

スクワットの説明では
「つま先をまっすぐ前に向ける」
と言われることがあります。

しかし実際には、
つま先の向きを変えることで
股関節や膝関節で生じる運動や負荷は変わります。

Lorenzettiらの研究でも、
足部の角度によって
股関節・膝関節の運動や関節モーメントが
変化することが報告されています。

そのためKOMPASでは、
「全員つま先0°」のように
一つの角度からフォームを始めるとは限りません。


股関節がどう動くか、
膝がどの方向へ動くか、
足裏でどう床を捉えているかを見ながら調整します。

ONE FORM FOR EVERYONE?

正解は、
一つではない。

ただし、何でもいいわけでもない。
身体・目的・負荷に対して
より適した形を探す。

前傾すること自体が、
悪いわけではない。

スクワットでは、
「背中をまっすぐに」
「上体を起こして」
と指導されることがあります。

背骨を過度に丸めたり、
コントロールを失ったりすることと、
上体そのものが前へ傾くことは別です。

スクワットでは、
身体全体の重心を支持基底面の中で保つため、
下腿や股関節の動きに応じて
体幹の角度も変化します。

100人を対象とした研究では、
体幹と下腿の角度が
股関節と膝関節のモーメント配分に関連していました。

つまり上体の角度は、
単純に「立っているほど正しい」
とは言えません。

身体の長さが違えば、
フォームも変わる。

同じ身長でも、
大腿が長い人、
下腿が長い人、
体幹が長い人がいます。

こうした身体寸法の違いも、
スクワットで必要になる関節角度に関係します。

Keinerらの研究では、
大腿と下腿、体幹の長さの比と、
スクワット中の足関節や膝関節の角度との関連が
報告されています。

例えば比較的大腿が長い人と、
下腿が長い人では、
同じ見た目のスクワットを行おうとしても
必要になる関節運動は同じではありません。

「見本と違う」ことと、
「間違っている」ことは、
同じではありません。

KOMPASでは、
どうフォームを決める?

01
CHECK

身体を確認する

股関節・足関節などの可動性や、
必要に応じて姿勢・左右差を確認します。

02
MOVE

実際にしゃがむ

測定した可動域だけではなく、
実際のスクワットで
どのように身体を使っているかを見ます。

03
ADJUST

条件を調整する

足幅、つま先角度、深さ、
必要に応じて負荷などを変えて確認します。

04
TRAIN

トレーニングする

現時点でコントロールできる条件から、
スクワットそのものを練習していきます。

可動域に制限があれば、
モビリティエクササイズを入れることもあります。

しかし、
「すべて整うまでスクワットは禁止」
とは考えません。

現時点でコントロールできる足幅や深さ、
負荷を選択しながら、
動作そのものも練習します。


その人の身体にとって、
その時点でより良い方法を選ぶ。

KOMPASでは、
その考え方を大切にしています。

フォームだけでなく、
何を目的に行うか。

同じスクワットでも、
筋力向上、筋肥大、動作練習など
目的によって負荷・回数・深さの考え方は変わります。

「スクワットをすると脚が太くなるのか?」
という疑問については、
筋肉と体脂肪、フォームの観点から別記事で解説しています。


スクワットで脚は太くなる?細くなる? →

参考文献

  1. Lorenzetti S, Ostermann M, Zeidler F, et al.
    How to squat? Effects of various stance widths,
    foot placement angles and level of experience
    on knee, hip and trunk motion and loading.
    BMC Sports Sci Med Rehabil. 2018;10:14.
  2. Keiner M, et al.
    The Effect of Stance Width and Anthropometrics
    on Joint Range of Motion in the Lower Extremities
    during a Back Squat.
    J Strength Cond Res. 2018.
  3. Almosnino S, Kingston D, Graham RB.
    Three-dimensional knee joint moments during
    performance of the bodyweight squat:
    effects of stance width and foot rotation.
    J Appl Biomech. 2013;29(1):33-43.
  4. The effect of trunk and shank position on
    the hip-to-knee moment ratio in a bilateral squat.
    J Sci Med Sport. 2023.

本記事では、研究で確認されている一般的なバイオメカニクスと、
STUDIO KOMPASでトレーニングを組み立てる際の考え方を
分けて記載しています。
一つの研究結果をすべての人へそのまま当てはめるものではありません。

執筆・監修

山岸 慎

STUDIO KOMPAS創業者・パーソナルトレーナー|NSCA-CSCS


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BETTER FORM FOR YOUR BODY.

正しい形に、
身体を合わせない。

身体を確認する。
動作を確認する。
目的を確認する。

そのうえで、
現在の身体に合ったトレーニングを考えます。

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