FOOT FUNCTION / PRONATION & SUPINATION

足部の
回内・回外とは?

足は、内側にも外側にも動く。
その両方に意味がある。

足が内側へ倒れている。
土踏まずが低く見える。
歩くと足の外側に体重が乗りやすい。

足部について調べると、
「回内」「回外」「過回内」
という言葉を目にすることがあります。

回内は悪い動きなのでしょうか。
回外している方が、足は安定するのでしょうか。

結論からいえば、

回内・回外はどちらも足部に備わった運動です。

大切なのは、一つの形を正解にすることではなく、
足部が荷重や動作に合わせて
どのように動いているかを理解することです。

PRONATION
SUPINATION
FOOT ARCH
GAIT

QUICK ANSWER

回内も、回外も。
足部に必要な動き。

足部の回内・回外は、
一方向だけに動く単純な運動ではありません。

複数の運動方向が組み合わさった
三次元的な複合運動です。

PRONATION
回内

背屈・外転・外がえしを含む複合運動。

SUPINATION
回外

底屈・内転・内がえしを含む複合運動。


MOVEMENT,
NOT A DEFECT.

回内していること自体は、
身体の異常を意味しません。

01 / DEFINITION

回内・回外とは、
どんな運動?

足部の回内・回外を理解するうえで、
最初に確認したいのが運動方向の定義です。

2022年4月に改訂された
「関節可動域表示ならびに測定法」では、
足関節・足部の回内と回外を
次のように整理しています。

PRONATION

回内

  • 背屈
  • 外転
  • 外がえし

これらが組み合わさった
三次元的な複合運動です。

SUPINATION

回外

  • 底屈
  • 内転
  • 内がえし

回内とは反対方向の要素を含む
三次元的な複合運動です。

IMPORTANT

これは足関節・足部の運動を表す定義です。
実際の歩行など、足を地面につけた状態では、
足部と下腿の相対的な運動も考慮する必要があります。

02 / TERMINOLOGY

「回内」と「外がえし」は、
同じ意味ではない。

足部の運動を説明するとき、
回内・回外と
内がえし・外がえしが
混同されることがあります。

しかし、現在の関節可動域の定義では
区別されています。

INVERSION / EVERSION

内がえし・外がえし

足底が内側・外側へ向く
前額面の運動を表します。

SUPINATION / PRONATION

回外・回内

前額面だけではなく、
複数の運動方向を含む
三次元的な複合運動です。

日本では以前、
これらの用語が現在とは異なる形で
使用されていた時期がありました。

そのため古い資料と新しい資料では、
同じ言葉でも説明が異なる場合があります。

2022年の改訂では、
国際的な用語との整合性を考慮し、
定義が整理されました。


日本足の外科学会による改訂資料を見る ↗

03 / NORMAL FUNCTION

回内する足は、
悪い足なのか。

足部の回内は、
歩行や走行の中でも観察される
自然な運動の一つです。

足部は多数の骨や関節によって構成され、
地面から力を受けるときに
形や位置関係を変化させます。

回内を単純に
「足が崩れる悪い動き」と考えることは、
足部本来の機能を十分に説明していません。

2023年に発表された足部機能のレビューでも、
回内は健康な足部に見られる
機能的な運動として整理されています。

THE FOOT IS NOT RIGID.


足は、常に同じ形を
保つための構造ではない。

荷重に応じて形を変え、
筋肉や腱などの働きとともに
動作に対応しています。

04 / WALKING

歩行では、
回内と回外の両方が現れる。

歩行中の足部は、
地面に接地したあと、
荷重を受けながら身体を前方へ運びます。

この過程では、
後足部を含む足部の回内・回外が
時間とともに変化します。

一般的には、
荷重を受ける局面で回内方向の運動が現れ、
その後、蹴り出しに向かう過程で
回外方向への変化が観察されます。

ただし、運動の大きさやタイミングには
個人差があり、
すべての人が同じ軌道を描くわけではありません。

01
CONTACT

接地

足部が地面からの力を受け始める。

02
LOADING

荷重

足部の位置や形が変化しながら
身体を支える。

03
PROPULSION

前方移動

足部・足関節が協調し、
次の一歩へつなげる。


ACCEPT LOAD.
ADAPT.
MOVE.

足部の機能は、
静止した形だけでは判断できません。

05 / FOOT ARCH

回内と扁平足は、
同じこと?

回内と扁平足は関連して語られることがありますが、
同じ概念ではありません。

扁平足は一般に、
足部の内側縦アーチが低く見える
形態的な特徴を指します。

一方、回内は運動を表す言葉です。

立っているときの足の形と、
歩行中に足部がどのように動くかは
分けて考える必要があります。

FOOT POSTURE

足部の形

土踏まずの高さや
後足部の位置など、
静止時に観察される特徴。

FOOT MOTION

足部の動き

歩行・走行・スクワットなどで
荷重に応じて変化する運動。

足部の形態と歩行中の運動の関係については、
系統的レビューでも検討されています。

土踏まずが低い足部と
後足部の運動との間に
関連が認められた研究はあります。

しかし研究間の違いも大きく、
足部の形から
動作全体を正確に予測できるわけではありません。


足底アーチの構造と機能について詳しく見る →

06 / OVERPRONATION

「過回内」は、
必ず修正すべき?

足部の回内が大きい状態を
「過回内」と呼ぶことがあります。

しかし、
回内の大きさだけで
身体に問題があると判断することはできません。

足部姿勢と傷害リスクについての
系統的レビューでは、
特定の下肢障害との関連が示された一方、
すべての傷害との関連が確認されたわけではありません。

また、関連が認められた場合でも
効果量が小さいものがあり、
足部の姿勢だけで
将来の障害を予測することは困難です。

KEY POINT

回内が大きいことと、
その人にとって介入が必要であることは
同じではありません。

痛みや違和感があるのか。
どの動作で困っているのか。
筋力や足関節可動域はどうか。
運動量や使用している靴はどうか。

こうした複数の情報を確認したうえで、
必要な対応を考えることが重要です。

07 / BODY CONNECTION

足部だけで、
膝や股関節は決まらない。

足部の回内・回外は、
下腿や膝関節、股関節の運動と
関連する場合があります。

しかし、
「回内しているから膝が内側へ入る」
「回外しているから股関節が硬い」
と一方向の原因を決めることはできません。

実際の身体では、
足部・足関節・膝・股関節・骨盤・体幹が
相互に関係しながら動いています。

FOOT
足部

↕

ANKLE
足関節

↕

KNEE / HIP
膝・股関節

↕

TRUNK
体幹

足部を確認することは重要ですが、
足部の形や運動だけを
身体全体の答えにするべきではありません。

08 / ASSESSMENT

足部を見るとき、
何を確認する?

回内・回外を考える際には、
足部の静止した形だけではなく、
荷重や動作の条件を変えて確認します。

01 / POSITION

足部の位置

立位で足部・後足部が
どのような位置にあるか。

02 / MOBILITY

可動性

足部・足関節が
必要な方向へ動くか。

03 / LOAD

荷重

体重をかけたときに
足部の位置がどう変化するか。

04 / MOVEMENT

動作

歩行・片脚立位・スクワットなどで
どのように使われるか。


STATIC IS NOT
DYNAMIC.

止まっている足と、
動いている足を分けて考える。

09 / TRAINING

回内・回外を考える
トレーニング。

足部のトレーニングでは、
必ずしも回内を減らしたり、
回外を増やしたりすることが
目的になるわけではありません。

まず現在の動きを確認し、
必要な範囲を自分で使えるか、
荷重した状態でも調整できるかを考えます。

01
NON-WEIGHT BEARING

座位で足部を動かす

椅子に座り、
足部をゆっくり動かしてみます。

足首の背屈・底屈だけでなく、
足部が左右方向にも
どの程度動くかを確認します。

無理にひねったり、
痛みを我慢して動かす必要はありません。

02
WEIGHT BEARING

立位で荷重を移動する

両足で立ち、
足底の接地を感じながら
身体を小さく前後・左右へ移動させます。

足部の内側・外側に
どのように荷重が変化するかを確認します。

極端に足を倒すのではなく、
無理なく姿勢を保てる範囲で行います。

03
FUNCTIONAL MOVEMENT

実際の動作へつなげる

カーフレイズ、
スクワット、
片脚立位など、
目的に関係する動作を行います。

足部の位置を一つに固定するのではなく、
荷重や運動方向に合わせて
どのように変化するかを確認します。

運動の方法や負荷は、
現在の身体と目的に合わせて調整します。

TRAINING PRINCIPLE

足を「正しい形」に固定することよりも、
必要な動作の中で足部を使えるかを考える。

10 / FAQ

よくある質問。

Q. 回内は悪い動きですか?

いいえ。回内は足部に備わった運動の一つです。
回内していること自体を異常と判断することはできません。

Q. 回外している方が足は安定しますか?

回外方向の運動は足部の力学的な性質と関係しますが、
回外位を維持することが
すべての動作で望ましいわけではありません。

Q. 扁平足なら過回内ですか?

必ずしもそうではありません。
扁平足は足部の形態、
回内は運動を表す概念です。
静止した足の形だけで
歩行中の運動を判断することはできません。

Q. 回内・回外のトレーニングは必要ですか?

目的や身体の状態によります。
回内・回外の大きさだけではなく、
足関節可動域、筋力、荷重、
実際の動作などを確認して判断します。

Q. 足部に痛みがある場合も運動してよいですか?

強い痛み、腫れ、外傷、歩行困難などがある場合は、
自己判断で運動を続けず、
医療機関での評価を優先してください。

11 / STUDIO KOMPAS

足の形ではなく、
身体の使い方を見る。

STUDIO KOMPASでは、
足部の回内・回外を
身体評価の一つの情報として扱います。

足部の位置だけで
トレーニング方法を決めることはありません。

足関節の可動性、
股関節の動き、
荷重したときの身体の位置、
実際のトレーニング動作などを確認します。

その人が何をしたいのか。
そのために何が必要なのか。

目的と現在の身体を整理しながら、
トレーニングを組み立てていきます。

01
LISTEN
目的を知る
02
CHECK
身体を見る
03
THINK
方法を考える
04
TRAIN
実際に動く

REFERENCES

参考文献・公的資料

  1. 日本リハビリテーション医学会.
    関節可動域表示ならびに測定法改訂について
    (2022年4月改訂).
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.
    2021;58(10):1188-1200.

    DOI ↗
  2. 日本足の外科学会.
    足関節・足部・趾の運動に関する用語.
    2022年4月改訂.

    公式資料 ↗
  3. Behling AV, et al.
    Chasing footprints in time:
    reframing our understanding of human foot function
    in the context of current evidence and emerging insights.
    Biological Reviews. 2023.

    DOI ↗
  4. Buldt AK, et al.
    The relationship between foot posture and
    lower limb kinematics during walking:
    A systematic review.
    Gait & Posture. 2013;38(3):363-372.

    DOI ↗
  5. Neal BS, et al.
    Foot posture as a risk factor for lower limb
    overuse injury:
    a systematic review and meta-analysis.
    Journal of Foot and Ankle Research. 2014.

    DOI ↗

本記事は、一般的な解剖学・運動学と
公開されている研究知見を整理したものです。
特定の足部姿勢から疾病や傷害を診断するものではありません。

AUTHOR / SUPERVISOR

執筆・監修

山岸 慎

STUDIO KOMPAS創業者・パーソナルトレーナー
|NSCA-CSCS

STUDIO KOMPAS / SHIBUYA

UNDERSTAND.
MOVE.
TRAIN.

一つの形に、
身体を当てはめない。

足部の回内・回外も、
身体を理解するための情報の一つです。

STUDIO KOMPASでは、
現在の身体と目的に合わせて
トレーニングを考えます。

渋谷駅 徒歩約7分
神泉駅 徒歩約5分
60分 9,000円(税込)
入会金・月会費 0円

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